2006 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル磁気共鳴画像法を用いた小型霊長類コモンマーモセットの脳内神経構造解析
Project/Area Number |
18700401
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
山田 雅之 (財)実験動物中央研究所, 画像解析研究室, 研究員 (40383773)
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Keywords | MRI / 拡散テンソル / DTI / DTT / 磁気共鳴 / 画像解剖 / コモンマーモセット / 実験動物 |
Research Abstract |
ヒトにより近い霊長類動物であり、取扱いが他のサル類に比べて容易なコモンマーモセットは、トランスレーショナルリサーチにおける有用性が高まっているが、その脳内神経構造は十分に解析されておらず、その解剖図譜も数少ない。本研究では、実験動物専用超高磁場MRI装置と拡散テンソル磁気共鳴画像法(DT-MRI)を駆使したコモンマーモセットの脳内神経構造解析が課題である。 本年度は、研究対象動物である健常なコモンマーモセット5例(新規購入による2匹、および他研究との個体共有による3匹)の脳について、postmortemでの高分解能拡散テンソルMRIを実施し、高い精度のDT-MRIデータを取得した。また、それぞれの個体について、購入備品であるマイクロスコープを用いて頭蓋内から眼球および視神経を含む全脳を慎重に摘出し、その病理組織像を作製した。 得られたDT-MRIデータは、個体毎に購入備品である高性能画像処理・データ保存用パーソナルコンピュータに転送・蓄積し、ファイバートラッキングに必要な補間再構成実施した。さらに、拡散異方性についてFA mapをはじめとする種々の拡散テンソル計算画像を作成した。組織病理学的解析は、髄鞘染色が施された病理組織像を作成し、デジタル光学顕微鏡により高解像度のデジタルデータとして個体毎に収集したものを同じくパーソナルコンピュータに転送・保管した。 一方、DT-MRIの最新の動向や新しい解析手法の試みについて、米国スタンフォード大学医学部放射線科で行われた研修に参加し、本研究の遂行に有益な情報を収集することができた。 本年度に収集された各々の画像データについて様々な画像再構成を実施し、DT-MRIおよび病理組織像との比較を中心にコモンマーモセットの脳内神経構造を明らかにしたい。
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