2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベッドサイド計測用高感度超ワイドレンジ心磁計の開発
Project/Area Number |
18700405
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小林 宏一郎 岩手大学, 工学部, 助教授 (60277233)
|
Keywords | SQUID磁束計 / 制御回路(FLL回路) / 心磁図計測 / 磁気シールドルームレス / 超ワイドレンジ / ベッドサイド計測 |
Research Abstract |
平成18年度は、SQUID磁束計用制御回路の高性能化(超ワイドレンジ)を目指し、以下の研究成果を得た。 1.はじめに、制御回路の最適設計のために、制御理論に基づく等価回路(モデル)を作成して、回路動作の確認とパラメータ決定を行えるソフトの作成を行った。このソフトウエアは、後述する試作回路を用いた動作実験と一致しており、様々な回路のシミュレーションや最適設計に有効である。 2.SQUIDは、漏れ電流や静電気などの影響で破損しやすいことや超電導状態にするための冷媒が必要である。このため、試作した制御回路の評価用ダミーSQUID回路を作成した。このことにより、実際のSQUIDを利用しなくても制御回路の動作確認が行えるようになった。ただし、実際のSQUID磁束計システムにおける遅延特性やノイズレベルの評価は、SQUIDが用いる必要がある。 3.平成18年度までに数種類の試作用制御回路を制作した。ダミーSQUIDによる特性評価を行い、その後実際のSQUIDを利用した評価を行った。また、評価結果をもとに回路の修正・改善を繰り返し行っている。現在、一般に利用されている制御回路に比較して、低周波領域(100Hz以下)では、数十倍から数百倍の計測可能範囲を実現できている。この帯域は、環境磁気ノイズが大きい帯域であり、磁気シールドルームなし(ベッドサイド)での生体磁気計測には有効な結果である。しかし、高周波領域での計測可能範囲は、十分ではない。したがって、次年度に向けて、新たな方法を用いた制御回路の提案と回路試作を行っている。
|