2007 Fiscal Year Annual Research Report
MPCポリマーを用いたウェアラブル酸素センサの開発
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18700407
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
工藤 寛之 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 助教 (70329118)
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Keywords | バイオセンサ / 生体計測 / 柔軟性 / 生体適合性 / MEMS / グルコースセンサ / 酸素センサ |
Research Abstract |
近年、MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)技術は、医療、IT、通信など多くの分野で実用化され、現代社会において必要不可欠なものとなっている。生体へのMEMS応用において、ガラスやシリコンが基板材料とするデバイスの小型化、軽量化という目的を中心に技術開発が進み、無痛針や生体内への埋め込み型のデバイスなどが提案されてきた。しかし、生体への適用という観点では、小型化への要求に応えるとともに、セシサやアクチュエータといったデバイスに生体への適合性や物理的な柔軟性という機能性を付与することこそが本質的に重要である。そこで、本研究では柔軟性に富み、高い生体適合性を有するポリマー材料を構造部材として用いることで、装着性に優れたバイオデバイスの開発を行い、生体情報モニタリングへの応用可能性を検討することを目的とした。 実験では、厚さ25μmのfluorinated ethylene-propylene(FEP)膜上に半導体プロセスを用いて電極を形成し、熱溶着性のpoly(ethylenecomethacrylic acid)を用いて電解液を封入した短冊状のバイオセンサを開発した。本センサを前腕部に装着し、経皮ガス計測に適用したところ、従来法と比較して装着部位への圧迫が少なく、被験者の負担が低減した。また、従来法では43.5度の加温を要したのに対し、本技術を用いることで40度以下の温度において計測が可能であった。43度以上の加温では低温やけど等の恐れがあるため長時間の計測が困難であったが、本手法を用いることでこの問題が解決された。 また、生体適合性を向上させるため、センサ材料として2-methacryloyloxyethyl phosphorylcho1ine(MPC)とdodecyl methacrylate(DMA)の共重合体(PMD)を用いることを検討した。PMDは生体膜類似構造を有する極めて生体適合性の高いポリマーである。polydimethly siloxane(PDMS)膜上に前述の手法で電極を形成し、グルコース酸化酵素を分散させたPMD溶液を電極上で硬化させ、ウエアラブルグルコースセンサを作製した。本センサは0.06-2.00mmo1/1の範囲でグルコースを定量可能であり、眼部に直接装着し、涙液糖計測などへの利用可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)