2006 Fiscal Year Annual Research Report
血液透析時の血圧低下に対する一酸化窒素と酸化ストレスの関与
Project/Area Number |
18700411
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
宮坂 武寛 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (60308195)
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Keywords | 人工臓器 / 化学工学 / 酸化ストレス / 活性酸素 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
血液透析膜の素材は高分子材料が主流となったが生体適合性・血液適合性が十分とはいえず、また、血液回路も血液適合性が不十分であり、ローラーポンプによる機械的な刺激により血液が溶血を起こすことも報告されている。これらのことが複合的な要因となり患者に対し酸化ストレスを与えることになる。このため本研究では、動物実験用に透析器を小型(ミニモジュール)化し小動物レベルで透析実験を行う系を確立し、透析治療による酸化ストレスがNO動態や生体に及ぼす影響を検討する。機械的刺激が血液・生体に及ぼす影響を検討することは、血液透析療法のQuality of Life(QOL)を高めるために重要であると考える。本年度は、動物実験による血液透析法の確立と、その透析中におけるNOや酸化ストレスのマーカ物質の計測法の確立を目的とした。 血液中のNO濃度の計測方法として、電極型のNOセンサを用いてきたが、ルミノール化学発光法を用いた血液中NOモニタリングシステムを新たに開発した。これにより、NO濃度の微小な変化をリアルタイムに計測できるようになった。 実験動物としてウサギを用いた。まず、使用する動物の循環血液量を考慮したプライミングボリュームになるよう、血液透析器のミニモジュールを作製した。また、血液回路のチューブも内径、長さを調節した。次に、尿素や、クレアチニン等のクリアランスを指標に至適血液側流量、透析液側流量を決定した。ウサギにおける血液透析法を確立できた。 今後は、酸化ストレスのマーカである酸化LDLや、NO産生量のマーカであるNO_2/NO_3等のマーカ物質を抽出し、血液透析時の濃度変化を計測し、生体内での酸化ストレス、NO動態の変動を評価していく。
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Research Products
(6 results)