2007 Fiscal Year Annual Research Report
血液透析時の血圧低下に対する一酸化窒素と酸化ストレスの関与
Project/Area Number |
18700411
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
宮坂 武寛 Himeji Dokkyo University, 医療保健学部, 教授 (60308195)
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Keywords | 人工臓器 / 化学工学 / 酸化ストレス / 活性酸素 / 一酸化窒素 / 血液透析 |
Research Abstract |
血液透析膜の素材は高分子材料が主流となったが生体適合性・血液適合性が十分とはいえず、また、血液回路も血液適合性が不十分であり、ローラーポンプによる機械的な刺激により血液が溶血を起こすことも報告されている。これらのことが複合的な要因となり患者に対し酸化ストレスを与えることになる。このため本研究では、動物実験用に透析器を小型(ミニモジュール)化し小動物レベルで透析実験を行う系を確立し、透析治療による酸化ストレスがNO動態や生体に及ぼす影響を検討した。機械的刺激が血液・生体に及ぼす影響を検討することは、血液透析療法のQuality of Life (QOL)を高めるために重要であると考える。 膜素材の異なる中空糸を用いてミニモジュールを作製し透析実験を行い、その時のNO動態の変化、酸化ストレスの変化を計測し、各種透析膜の生体に及ぼす影響を評価した。膜素材としては、再生セルロース(RC)、セルロースアセテート(CA)、ポリスルホン(PS)、ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)、エチレンビニルアルコール(EVAL)等を比較・検討した。また、実際に現場で使用される血液回路、血液透析膜素材、血液透析器の中空糸以外の部分やローラーポンプによる酸化ストレスやNO動態に及ぼす影響を検討した。実際の透析器、血液回路、血液ポンプを使用するため、牛血液を使用した実験も試みた。透析治療による酸化ストレスがNO動態や生体に及ぼす影響には、様々な要因があり、どの要因がどのぐらい影響を及ぼしているのかといった具体的な結論を得るには至らなかったが、今後の研究の足がかりとなる研究手段の確立はできたと考える。
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Research Products
(8 results)