2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット分子蛍光イメージングによる食道上皮再生の細胞進展メカニズムの解明
Project/Area Number |
18700422
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 義生 京都大学, 再生医科学研究所, 非常勤講師 (70375195)
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究課題では、in vitroの食道上皮モデル実験系を用いて食道上皮再生過程におけるE-カドヘリンの動的制御機構を明らかにすることを目的とした。特に食道上皮再生過程における上皮-間充織形質転換(EMT)に注目して、E-カドヘリンの細胞内局在性の解析を行った。具体的には、E-カドヘリンが周囲の細胞と接着している状態から、隣接する細胞がなくなり、細胞が再生部位を覆っていくために動き始め、進展していく過程を観察した。E-カドヘリンがエンドゾームとして細胞内に取り込まれ、その後リサイクリング・エンドゾームとして再利用されたり、プロテオソームにおいて分解されていく動的制御状態を、高解像度で長時間観察できる新しい量子ドット分子蛍光イメージングの技術を応用することによって観察した。 本研究計画では、まずシンプルで詳細な観察の容易な培養ディッシュ上のモデルを用いて、E-カドヘリンの動態を量子ドットを用いてトラッキング解析を行った。培養ディッシュ上でコンフルエントになったケラチノサイトの一部をスクラッチすると、カドヘリンを介した細胞間接着がなくなった境界において、ケラチノサイトは上皮間充織形質転換をおこし、細胞が削られた面を再び覆うために集団的細胞進展を開始する。 この過程で、細胞表面に局在していたカドヘリンは、細胞内に局在するようになることが観察された。さらに、細胞が進展し、スクラッチ部分においても細胞が増殖し、間隙がなくなり再びコンフルエントの状態になるに従って、カドヘリンは細胞表面に強く局在し、周囲との細胞の接着を担っている様子が観察された。
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