2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト間葉系幹細胞の分離・同定とIn vivo組織修復機能の解明
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18700430
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
馬渕 洋 慶應義塾大学, 医学部, 嘱託(非常勤) (50424172)
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Keywords | ヒト間葉系幹細胞 / フローサイトメーター / 再生医療 / 細胞医療 / 幹細胞生物学 |
Research Abstract |
ヒト骨髄細胞を様々なモノクローナル抗体で染色し、陽性・陰性分画をそれぞれフローサイトメトリー(FACS)によって各細胞群を分離し、CFU-F (colony forming units-fibroblast)や、骨・軟骨・脂肪への分化能を指標に、間葉系幹細胞が含まれている細胞分画を同定する試みを行った。その結果、CD45-GlyA-CD271+CD133+分画(CD271・CD133共陽性分画)にCFU-F能力の高い細胞が多く含まれていることが明らかになった。 CD271・CDI33共陽性分画の細胞を限界希釈法により培養したところ、約6回の継代を経て、1.5ヶ月培養可能であった。また、間葉系への分化能を調べたところ、骨・軟骨・脂肪への分化能を有していることを確認した。CD271・CD133共陽性分画を二次元培養したのち、ニューロスフェア培養方法(bFGF・EGF・B27添加培地・低接着プレート)にて培養後、浮遊細胞塊を形成した。その細胞塊を対象として分化誘導を行ったところ、神経マーカーであるTUJ1やグリアマーカーのGFAP、また平滑筋マーカーであるαSMAの発現が確認された。以上の結果からCD271・CD133共陽性分画は間葉系組織への分化能だけでなく、胚葉を超えた分化能力をもっている可能性が示唆された。 骨髄のほかに間葉系幹細胞が含まれているとの報告がある末梢血や臍帯血を、上記4つの抗体を用いて解析を行った。GCSF投与後のヒト末梢血中、ヒト臍帯血にCD271・CD133共陽性分画が存在し、それらの細胞は、継代可能で骨・脂肪・軟骨への分化能を示した。臍帯血中での間葉系幹細胞の頻度は非常に低く、血球細胞が多量に混在しているため、実際にそのまま細胞を利用する事は難しいが、FACSを用いて間葉系幹細胞の純度を高めておけば、細胞治療として利用可能な細胞供給源となりうる。
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[Journal Article] Two distinct stem cell lineages in murine bone marrow2007
Author(s)
Yoko Koide, Satoru Morikawa, Yo Mabuchi, Yukari Muguruma, Emi Hiratsu, Kohji Hasegawa, Makoto Kobayashi, Kiyoshi Ando, Kentaro Kinjo, Hideyuki Okano, Yumi Matsuzaki
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Journal Title
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