2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤応答性ペプチドフィンガープリンティングによる癌治療効果のモニタリング
Project/Area Number |
18700440
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
苗代 康可 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80347161)
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Keywords | proteomics / peptidome / fingerprint / 抗癌剤治療モデル / 血漿 / 培養上清 / SELDI-TOF MS / 検査・診断システム |
Research Abstract |
1.抗癌剤耐性モデル細胞株作製chfr geneにメチル化が起こっている大腸がん細胞株(HCT116)にCHFRを発現させることにより、(HCT116-CHFR)を作製した。この細胞はDocetaxelの投与(100nM48時間培養)に対しmock細胞(抗癌剤時感受性細胞)と比較し有意に抗癌剤に耐性となっていた。 2.細胞培養上清からの治療応答性ペプチドームの同定抗がん剤抵抗性がん細胞および抗癌剤感受性細胞をDocetaxel 100nM存在下および非存在下で48時間培養し、細胞培養上清をSELDI-TOF MSにより解析した。Protein chipはCM10(陽イオン交換chip),IMAC-Cu(金属親和性chipに銅を固定),IMAC-Ni(金属親和性chipにニッケルを固定)を使用した。CM10においては感受性細胞のみでDocetaxel投与後上昇および低下するpeakを、IMAC-Cuにおいては感受性細胞でのみ発現上昇するpeakを、IMAC-Niにおいては感受性細胞でのみDocetaxel投与後上昇および減少するpeakおよび抵抗性細胞でのみ発現上昇するpeakを検出した。現在それらのpeakを同定中である。 3.ヌードマウスへの移植およびの確立in vivoにおけるがん治療のモデル系として、親株(HCT116)とHCT116-CHFRをそれぞれヌードマウスの鼠径部皮下に移植し、腫瘍径が1cmの時点からDocetaxelを投与し、治療後7日目で腹部大動脈から採血した。腫瘍は抗癌剤感受性株移植群において優位に縮小した。各群から取得した血漿はアルブミン除去後、フェニルカラムにより分画しAu chipをもちいてSELDI-TOF MS解析した。その結果、治療有効性(Docetaxel反応性)の指標となり得るpeakを再現性をもって検出した。現在それらのpeakの同定を行っている。
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