2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700451
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浦上 祐司 北海道大学, 北海道大学大学病院, 医員 (20399851)
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Keywords | 摂食・嚥下リハビリテーション / 摂食・嚥下障害 / 嚥下音 |
Research Abstract |
摂食・嚥下障害患者の病態把握や摂食・嚥下リハビリテーションの効果判定に嚥下音の応用を目指しているが,今回は健常者の評価を行った.健常者5名(一部4名)の輪状軟膏気管直下外側付近に東芝社製の加速度トランスデューサー(TA701T,周波数特性20-600Hz)を接着し,嚥下音をNemio 30 (Toshiba社製)で画面表示させ(この波形をVSと略す)分析を行った.また嚥下造影(VF)・VS画像をデジタルビデオで同時撮影し各画像を静止画(29.4枚/秒)にして比較した.VS波形は3群に分類でき再現性を認め,これをSa,Sb,Sc波と呼称した.Sa波形群(Saと略)は食塊が口腔〜喉頭蓋谷付近まで,Sbは喉頭蓋谷〜食道入口部付近を通過するまで,Scは食道入口部付近を通過した前後の動きに一致して出現していた.各波形の持続時間・また音圧の要素を含めるため各波形の面積をすべて同じ条件でPC上のドット数で求め,一口量5ml(4例)・10ml(5例)・15ml(4例)群間で一元配置分散分析で検定したところ(有意水準5%以下),波形の持続時間・面積ともにいずれの群間も有意な差は認めなかった.よって5ml-15mlでは波形に差が生じなかったことにより健常者の一口量は15mlまでは問題なく嚥下可能であることを示唆していると考えられた.また,一例についてのみ嚥下した際に喉頭を挙上したままにしておき,一定時間たった後喉頭下降をすると音が検出され,Sc成分の一部をなすことが示唆された.以上の過程でPC・ソフト・HDD・DVDデッキを使用した(研究費で購入).嚥下音の音響分析システム(DFFS3)を使用した分析・VSの摂食・嚥下障害患者への応用は平成19年度に予定している.現在発表は会議録のみであるが,平成19年度に摂食・嚥下リハビリテーション学会にこれまでの成果を投稿する予定としている.
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