2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患へのコエンザイムQ10の効果~三次元動作解析を含めた多面的効果判定~
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18700455
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宗宮 真 Gunma University, 医学部, 助教 (20302474)
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Keywords | 神経変性疾患 / パーキンソン病 / 筋萎縮性側索硬化症 / 動作解析 |
Research Abstract |
今年度は、パーキンソン病患者において症例数を増やし、三次元動作解析装置により歩行の状態を歩調・歩行速度・重複歩距離・歩幅距離・単脚支持時間・両脚支持時間・歩隔を評価したことに加えて、膝関節・股関節・足関節・肩関節などの各関節の関節可動域や体幹マーカーの動揺についても検討を加えた。また、リハビリテーションの即時効果についても検討をおこない、即時効果と高次脳機能障害との関連について検討した。この結果、前頭葉機能検査の結果の高値群と低値群を比較すると、身長に対する歩幅や歩行速度の割合、関節可動域、体幹マーカーの動揺について、高値群ではリハ前と比較してリハ後に有意な改善が認められたのに対し、低値群では改善が認められなかった。このことから、非運動症状である前頭葉機能障害と運動機能障害に対するリハ効果との関連が推察された。 ミトコンドリア機能異常というパーキンソン病と共通する病態を持つミトコンドリア脳筋症のコエンザイムQ-10内服患者で血漿中の酸化型と還元型を合わせたコエンザイムQ-10に対する酸化型コエンザイムQ-10の割合を検討したところ健常者と比較して有意な差を認めなかった。また、筋萎縮性側索硬化症患者で、コエンザイムQ-10と近似した性質を持つ脂溶性の抗酸化物質であるビタミンEを内服している患者では、内服していない患者と比較して、血漿中の酸化型と還元型を合わせたコエンザイムQ-10に対する酸化型コエンザイムQ-10の割合は両者の間で有意な差がみられなかった。
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