2008 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の為の触知案内図に用いられる触知記号の評価及び提案
Project/Area Number |
18700478
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
土井 幸輝 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 助教 (10409667)
|
Keywords | 福祉工学 / 人間工学 / 触知案内図 / 触知記号 / 視覚障害者 / 識別容易性 |
Research Abstract |
視覚障害者の空間情報入手ツールとして"触知案内図"が注目される. とりわけ, 無色透明な紫外線硬化樹脂インクを用いたスクリーン印刷方式による触知案内図は墨字と併記が可能であることからアクセシブルデザインを実現するツールとして普及しつつある. 本研究では, 触知案内図上で示される項目(現在地・トイレ等)の触知記号について, 触知可能な記号サイズを識別実験により調べた. 初年度(平成18年度)の研究成果は, スクリーン印刷方式による触知記号(塗り潰し型の単純幾何学図形のみ)のサイズと識別容易性の関係を調べ, 識別し易い触知記号のサイズが明らかになったことである. 2年目は初年度の成果を踏まえ, 新たに年齢・触知歴, 製法が触知記号の識別容易性に及ぼす影響を評価した. 具体的には, 高齢者・若年者間, 触知歴の長い視覚障害者と触知歴の相対的に短い若年晴眼者間, エッジが不明瞭なスクリーン印刷方式とエッジが明瞭な切削方式間の触知記号の識別容易性を比較した. その結果, 加齢により触知記号の識別容易性が低下すること, 触知歴の長い視覚障害者の触知記号の識別容易性が高いこと, エッジの明瞭性の違いによって識別容易性が顕著に異なることが明らかになった.最終年度(平成20年度)は, 2年間(平成18年度・19年度)の成果を踏まえ, 輪郭型の触知記号の識別し易いサイズを調べた. これらの成果は, 平成19年3月に制定された触知案内図の表示法のJISの改訂の際に, 触知記号の識別し易いサイズを検討時に有用なデータとなるであろう.
|
Research Products
(4 results)