2007 Fiscal Year Annual Research Report
音源に圧電素子を用いた人工喉頭システムのための音質改良と制御方法に関する研究
Project/Area Number |
18700481
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大惠 克俊 Ritsumeikan University, 理工学部, 講師 (80388123)
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Keywords | 人工喉頭 / 圧電振動体 / 圧電セラミックス / 圧電高分子 / 筋電位 / 喉頭原音 |
Research Abstract |
本年度の研究において,以下の成果が得られた.1)新形状音源の改良,2)人工喉頭制御用信号としての胸骨舌骨筋の検出精度の向上,3)共鳴管の性能向上. 1)については,昨年度までに試作を行った新形状の圧電発音体の発音特性を改良することを目的として,さらなる新形状についての研究を行った.昨年度までの試作発音体は,剛性低下により低共振周波数化が達成されたが,剛性低下部である梁部の剛性をさらに低下させることで,人工喉頭の音源に必要なレベルまでの周波数低下が見込まれることが確認された.そこで本年度では音圧に関係する振動部の面積を維持したまま梁部を延長し,音源の低周波数化を行った.しかし,梁を延長しただけでは振動板の変位が得られなかった.そこで梁の剛性に傾斜を付けることにより,その振動形状の最適化が行われ,振動板の変位を得ることができた. 2)については昨年度の結果に基づき,胸骨舌骨筋の筋電位による音声制御の実現を目的として,筋電位信号の高精度化についての研究を行った.この高精度化は筋電位測定用電極の添付位置の最適化を中心に進め,その結果,最適化された添付位置において,従来よりもS/N比の高い検出信号を得ることができた.この検出信号より,ピッチ周波数とon/offの制御信号として有効な成分の抽出の可能性が示唆された. 3)については,複数の共鳴管を接続することにより音響フィルタとしての性能向上と,周波数特性の調整が可能となることが確認された. 上述の4件の結果のうち,1)については国際会議において1件のポスター発表を行い,1件の論文が掲載された.2)については国内会議において2件の口頭発表を行った.また1,2)の結果をまとめたものについて国内会議において1件の口頭発表を行った.
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Research Products
(5 results)