2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18700483
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Research Institution | Kawasaki College of Allied Health Professions |
Principal Investigator |
茅野 功 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (70390242)
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Keywords | リハビリテーション / 情報システム / シミュレーション工学 / モデル化 / ユーザインターフェース |
Research Abstract |
本研究の目的は、膝関節運動機能の正確な評価と運動解析を、非侵襲・無負荷で行うことのできるポータブルシステムを開発することにある。 平成18年度では、被験者にコンピュータに有線で接続された加速度計を2個装着させ膝関節運動を解析する試作システムを作成し、これにより導出される被験者の下肢筋及び腱の状態と運動パラメータの整合性について検討を行った。 本試作システムでは、被験者の膝関節運動角加速度、角速度及び角度波形の解析と、被験者の膝関節運動機能の評価尺度となる4つの運動パラメータを高速に算出するために、ソフトウェア開発にはVisualC++6.0を用い、また演算手法として線形計画法の1つであるPolytope法を採用した。 本試作システムを汎用のパーソナルコンピュータに導入し、異常反射を示さない健常者33人に対して延べ105回の膝関節運動データについて運動解析を行ったところ、運動の過程においてデータにノイズ混入が認められなかったすべての運動波形(n=90)に対して、平均4.2秒で運動パラメータを算出することができた。また、この運動パラメータから再現した運動波形と測定データの比較により、その高い整合性を確認した。本結果は、World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering 2006にて成果発表している。 また、運動の過程でノイズの混入が認められたデータは、すべて有線型加速度計の配線の動揺によるものであることが判明した。この対策およびシステムの小型化を目的として、無線型加速度計の導入を検討している。測定可能距離と時間分解能、及び運動における外乱耐性について種々の無線型加速度計について検討を続けており、次年度以降の試作システムにて導入する予定である。
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