2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700483
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
茅野 功 Kawasaki University of Medical Welfare, 医療技術学部, 講師 (70390242)
|
Keywords | 膝関節 / 運動機能解析 / リハビリテーション |
Research Abstract |
昨年度までに、膝関節運動の解析とその機能評価を非侵襲・無負荷で行うことのできるポータブルシステム費試作した。本年度は本試作システムの性能と利便性の向上のため、主にソフトウェア開発に要点をおきシステムの改良を行い、健常被験者36名によるシステムの妥当性の検討を行った。 まず、被験者から得られた膝関節運動動画像による運動解析のためのマーカ追跡手法を、パーティクルフィルタにより運動推定を行いながら各フレームを解析する手法を採用することにより、昨年度までの試作システムと比べ処理時間を約50%短縮し、汎用コンピュータにより約40秒で解析を可能にした。さらに、膝関節の運動軌跡を幾何学的に解析することにより、運動初期の膝関節角度を与えることなく動画像から自動的に初期角度を演算させることで本システムの利便性を向上した。この初期膝関節角度の不確かさは解析誤差の原因でもあり、この改良により解析誤差が大幅に軽減したことで、本システムは有線型加速度計を用いて測定する従来法との測定誤差を1%未満で測定でき、システムの妥当性を確認した。本結果は国内学会(電子情報通信学会2009年総合大会)において成果発表を行っている。 これにより本研究の目的であるシステム開発を一旦完了した。しかし、本システムを用いたトレーニングジム等の利用者に対する膝関節運動の定量的評価など実践的な利用を行うまでには至らず、背景の影響や画像ノイズに対する解析誤差を生じる可能性を否定できない。現在、より測定ノイズ耐性を持つ画像解析手法の提案と、これを本システムへ導入した結果をまとめた論文の投稿に向けて準備中であり、また、得られた運動パラメータと被験者の運動負荷等との相関を検討している。
|