2008 Fiscal Year Annual Research Report
姿勢調節のメカニズムを末梢感覚神経活動から解明する
Project/Area Number |
18700490
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牛山 潤一 Keio University, 体育研究所, 助教 (60407137)
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Keywords | 床反力 / 筋電図 / 筋量 / Ia求心性神経 |
Research Abstract |
平成20年度前半には, 昨年度の一連の研究において明らかとなった現代の若齢者の平衡機能と立位姿勢保持において主働筋である下腿三頭筋の筋量との関連性, およびそれら実験データをもとにコンピューターシミュレーションを用いて解析した制御方策に関する結果をまとめ, 5月にアメリカ・インディアナポリスにて開催された「American College of Sports Medicine」にて発表し, 国外の当該分野の専門家たちと議論を行った. 学会にて得た成果を反映させ, 現在は論文完成間近まで準備も進み, 21年度にはいよいよ学術誌への投稿の段階である. また昨年度より継続的に行っている, アキレス腱への長時間振動刺激法による下腿三頭筋のIa求心性神経活動低下が, 立位姿勢調節時の足底中心動揺に与える影響についても検討を重ねた. 誘発筋電図法を用い, 振動刺激前後に下腿三頭筋よりH反射を導出し, その低下率と立位姿勢保持時の足圧中心動揺・静的収縮時の発揮トルク動揺の変化率との関連性に着目したところ, 立位課題時には, Ia求心性神経活動低下が大きな者ほど, とくに閉眼時の動揺速度において顕著な変化がみられた。立位姿勢保持時には, 視覚・前庭系・固有感覚系からのフィードバック情報がとくに重要と考えられているが, 本研究の結果は, このうちの視覚情報に頼れなくなったような試行時に, 固有感覚系, とりわけIa求心性神経による筋の長さ変化情報のフィードバックの重要度が増すことを示すものと思われる. 現在, 足底中心動揺の変化のメカニズムについて, とくに筋電図の変化との関連から継続して検討を重ねている. 今後も解析を進め, 成果が上がり次第, 学会発表・論文投稿へとつなげていくつもりである.
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