2008 Fiscal Year Annual Research Report
琉球舞踊における動作単元データベース「動作辞書」の構築
Project/Area Number |
18700496
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
波照間 永子 Meiji University, 情報コミュニケーション学部, 准教授 (80336487)
|
Keywords | 舞踊 / 身体技法 / 芸能 / 身体表現 |
Research Abstract |
今年度の研究内容とその成果は以下の2点である。 1. 「わざ言語データ」の特性 無形文化財保持者1名(重踊流宗家)を対象に、「師から受けた伝承過程(どのように教わったか)」について聞き取り調査を実施した。その結果、特に「雑踊り」について比喩的言語「わざ言語」が多用された等の特性が見られた。本成果を「根路銘房子の『語り』にみる伝承の系譜」(2008)にまとめた。 2. 動作単元データリストの作成と流会派の系譜解明 「動作単元データリスト」を作成した。さらに、本データリストを使用して流会派間の比較研究を実施すべく、次のような予備研究を行った。 明治期の名優、玉城盛重に系譜をひく4名の県指定無形文化財保持者を対象に、伝承過程の詳細な聞き取り調査を実施した。その結果、(1)1960年代に家元制が導入される以前は、盛重(系)以外も含む複数の師のもとで各師の十人番芸(演目)を学ぶ伝承のスタイルであったこと、(2)主な演目が誰から誰に継承されたかといった「演目ごとの系譜」を解明する必要性がみられること。(3)「ガマク入れ」技法を例に比較すると、盛重の直弟子と孫弟子で相違が認められること、等が明らかになった。 上記の成果をスポーツ人類学会にて口頭発表し、『2008年度ポーラ伝統文化振興財団助成事業報告書』にまとめる予定である。
|