2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジュニアスポーツにおける親と子の相互関係パターンの検討
Project/Area Number |
18700503
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武田 大輔 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 準研究員 (10375470)
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Keywords | ジュニアスポーツ / 親子関係 / 心理臨床 / 事例 |
Research Abstract |
本研究の目的達成に向け,研究者自身の心理臨床実践能力を研鑽する必要のあること,また,体育・スポーツ分野における心理臨床に関する最新の情報収集の必要性により,次のような研修会に参加した.スポーツ選手のカウンセリングなどの事例が多く報告され,身体に関わる諸現象を心理臨床学的なアプローチにより理解を深めようとする日本臨床心理身体運動学会が主催する定例研修会では,本研究のテーマである親子関係に関わる事例が紹介された.主訴の背景に,選手の父親との関係が転移している様子が指定討論者により指摘されるなど,難しいケースであった.周囲のチームメイトを含め,彼女の身体レベルでの訴えなど,専門家による傾聴の必要性が改めて強調された. また,心理臨床実践からも,選手の訴える主訴の背景に,幼少期の親子関係の在り方が潜んでいることが推察された.現段階では,プライバシーの保護,守秘義務などにより発表できる段階ではないが,近年中に成果をまとめることができそうである. さらに,調査インタービューを成年アスリートに行った.ここでは,調査対象者の幼少期におけるスポーツへの取り組み方,それぞれの発達期における親の関わりを振り返ってもらったが,表面上では,過干渉に思われる関わり方であるが,その根底にある子どもに対する肯定的な態度が,子ども自身にとっては,自己を支える拠り所となっていることが理解できた.次年度への課題として,何らかの親の関わりの特徴を見いだし,パターン化することが挙げられる.
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