2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジュニアスポーツにおける親と子の相互関係パターンの検討
Project/Area Number |
18700503
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
武田 大輔 National Agency for the Advancement of Sports and Health, スポーツ科学研究部, 研究員 (10375470)
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Keywords | ジュニアスポーツ / 親子関係 / 心理的発達 / 臨床スポーツ心理学 |
Research Abstract |
本研究課題を達成するために,次の二つの下位検討課題を設定した.検討課題1:子どものスポーツにおける親と子の相互関係パターンを"メッセージ"という視点から同定し,スポーツ活動における親子関係診断尺度の作成及び尺度を用いた調査を試みる.検討課題2:青年・成人競技者の回顧的資料及び青年・成人競技者の心理臨床事例から,親と子の相互関係パターンが,選手の競技を通した心理的発達(人格の発達)にどのように作用してきたかを力動的に捉え検討する. 検討課題1については,尺度の再構成(簡素化)が必要となったため尺度作成に重点を置いたが,実質的な調査には至らなかった.しかしながら,検討課題2については,心理臨床による実践及びインタビュー調査により資料収集を行った.特に,所属機関変更により心理臨床実践が豊富となり,そこからデータを得ることが多くなった.継続中の実践を踏まえても,成人選手のスポーツを中心とした生活への親の関わりが,彼らの心理的発達に大きな影響を与えていること明らかであり,特に,干渉型の関わりにおいて,選手の自我の発達の妨げとなっていることが推測される.実践終了後,学術論文として発表できると思われる.直接的な成果ではないが,これまでの一連の研究を含む内容で啓蒙雑誌に寄稿した.
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