2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700505
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
平川 武仁 Nanzan University, 人文学部, 講師 (50404942)
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Keywords | 競歩競技 / 歩行速度 / ステップ長 / 認知的手がかり |
Research Abstract |
運動技能学習において,認知的手がかりを与える指導方法は,学習者自身が実感できるため,学習者が効力感を得ながら学習できる有効な手段となる.しかしながら,得られた調査データは学習者の主観的な判断に基づいているため,実証的研究方法の遡上に載せがたいという理由から,これまであまり取り上げられてこなかった.そこで,本年度の目的は,歩行速度を維持する技能を定量化するための動作解析だけでなく,熟練者の認知的手がかりであるコツ(knacks)を調査することであった.動作解析においては,約5000mの競歩競技レースのシミュレーション実験の途中地点である前半(450m),中盤(2750m),後半(4600m)の3地点を分析地点に,そして運動学的変数と動力学的変数における最大値の競技水準(上・中・下位の各5名)の差異について二要因(3×3)の分散分析をした.その結果は主に,レース後半になると,未熟練者において1歩中の身体重心の最上地点と最下地点の差が大きい傾向があること,1歩あたりのステップ時間に変化は認められなかったが,1歩あたりのステップ長が短縮する傾向があること,その要因として遊脚の膝関節を屈曲させる傾向があることが認められた.競歩動作に関する認知的手がかりにおいては,四肢の力量感と上肢と腰の動作のタイミングを合わせることを試みながらも,体幹の上部(肩)と下部(腰)の動きのタイミングをずらす感覚があることが面接調査による質的解析によって明らかになった.この認知的手がかりの結果は,腕を身体の最後方に引いた時点と腰から脚を振り出すタイミングを合わせていることを意味していると考えられた.
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Research Products
(1 results)