2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルフ・クラブとボールとの反発特性に着目した衝突メカニズムの解明に関する研究
Project/Area Number |
18700506
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 克昌 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助手 (90313329)
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Keywords | スポーツ工学 / ゴルフ・インパクト / 衝突実験 / 有限要素解析 / ゴルフ・ボール |
Research Abstract |
本研究は,ゴルフ・クラブとボールとのインパクトに着目し,衝突実験からボールの打ち出し条件(速度,角度,スピン量)とヘッドの諸元との関係を明らかにするとともに,それをもとに構築した有限要素(FE)モデルを用いた衝突解析から,ボールの飛距離や方向性に関する衝突メカニズムを解明することを目的としている,この目的を達成するために,本年度は,ボールの動特性の計測結果に基づくボールのFEモデルの構築,およびクラブヘッドを模擬した中空体とボールとの衝突実験を中心に研究を行った. まず,ボールの動特性を得るために,軟鋼丸棒との衝突実験を行った.ボールの衝突前後の挙動は高速度カメラを用いて撮影し,その画像からボールの打ち出し条件および変形量を求め,また衝突荷重を計測した.次に,実験で得た動特性をもとに,FEモデルは材料モデルに粘弾性を導入した超弾性体を用いて構築した.超弾性体モデルとしてMooney-Rivlinモデルを,粘弾性体モデルとして三要素モデルを用いた.これらのモデルの材料定数を変化させて衝突解析を行い,得られた衝突荷重やボールの打ち出し条件とモデルの材料定数との関係を明らかにし,その関係からモデルの同定方法を決定した.その方法をもとにボールモデルを構築し,その解析結果は実験結果とよく一致することを確認した. 次に,市販のクラブヘッドの機械的特性を調査し,その特性を考慮して形状を単純化させた4種類のヘッド(中空体)を設計・製作した.中空体はロフト角を0,10,20,30°と変化させ,質量は一定とした.中空体とボールとの衝突実験を行い,ボールの打ち出し条件や中空体の挙動を計測した.実験結果からロフト角が大きくなると中空体の衝突面が大きくなり,よりたわむことからボールの反射速度は大きくなり,また反射速度が最大となるボールの衝突位置は,中空体のスピン量が0となる位置であることがわかった.
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