2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700509
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
中村 夏実 鹿屋体育大学, 海洋スポーツセンター, 助手 (30287817)
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Keywords | ローイング / パフォーマンス評価 / 加速度 / 身体運動量 / 総力積 / 力積比 / 艇速度 / ローイング効率 |
Research Abstract |
ローイング運動中の身体加速度波形の積分値(総身体運動量)が、ローイング動作の評価に有効な指標となりうるかどうかを検討するため、第一段階として、ローイングエルゴメータを用いた漸増負荷運動テストを実施し、酸素摂取量(VO_2)および3方向の加速度の総力積で表される総身体運動量(I total)を測定した(男子5名、女子4名)。その結果、負荷(Work Output)漸増に伴い、VO_2およびI totalは増加し、I totalとVO_2の間には、男女ともに有意な正の相関関係(p<0.01)が認められた。また、前後(Ix)、左右(Iy)、上下(Iz)の各運動量を、I totalに対する割合で比較すると、平均で、男子約55.0%、35.0%、10.0%、女子:約60.0%、30.0%、10.0%であって負荷漸増に関わらずほぼ一定であった。 一方で、負荷に対するI totalにはBreak-pointが認められており、これがほぼ換気性作業閾値(VT)に一致する結果となった。しかしながら、そのメカニズムについて詳述するにはいたっていない。現在、撮影したビデオ画像と併せて、ローイングエルゴメータの出力に関与する動作部分(ローイングにおいてドライブといわれる動作中)のみの力積と負荷との関係について検討を進めている。 さらに、水上ローイングでのパフォーマンス評価を目指し、実際のレースにおいて身体と艇の両方に加速度計を装着し、両者の加速度変化を測定した。収集した加速度データは、先行研究と同様に艇の動きを反映することが確認された。そして、進行する艇の上でも、ローイング動作を身体加速度波形によって把握できる可能性が伺えた。水上ローイングにおける測定は、まだ1例しか実現できておらず、例数を増やしていく必要性がある。また、ローイングエルゴメータと同様に水上ローイングにおいても漸増負荷テスト(速度漸増)を実施し、艇速度と艇の運動量および身体運動量との関係について検討する予定である。
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