Research Abstract |
本研究は,バリスティックトレーニングおよびスロートレーニングのトレーニング効果を検証するトレーニングプログラムを作成する基礎資料として,スクワットおよびレッグプレスにおける力発揮の特性について検討した。 課題はスミスマシーンを用いた仰臥位でのレッグプレス(LP)および立位でのスクワット(SQ)とした。負荷重量は15%,30%,60%1RMの3条件,反復回数は各条件につき15回とした。動作は素早く,リズミカルに切り返すよう指導した。LPおよびSQ動作を側方よりDVカメラで撮影し,重量物の重心変位,速度,加速度を求め,さらに,ばね力,ダンパ力,ジャッキ力を算出した。 LP, SQともに切り返し期でバネカおよびジャッキ力の最大値がみられた。LPでは切り返し期のバネカおよびジャッキカは負荷の増加に伴って増大したが,SQにおけるバネ力は負荷の大きさに関わらず一定の値(約1500kN)を示した。ダンパ力は負荷の下降期にみられたが,SQの方がLPよりも負荷の増加と伴に顕著に現れた。重量物の下降速度,上昇速度についてはLPとSQで有意な差はみられなかった。床反力の最大値はLP, SQともに切り返し期にみられ,LPでは負荷の増加に伴って増大を示した。しかし,SQはいずれの負荷においても同程度であった。以上のことから,SQにおいて各条件下で一定のばね力,ジャッキ力がみられた大きな要因は,低負荷においても床反力が十分に発揮されていたことが挙げられる。SQでは体重そのものが負荷となり,切り返し期に十分な力発揮ができるだけの質量が得られていた可能」性が考えられる。また,レッグプレスでは足関節および股関節の動きが十分ではなく,膝関節が主動であるのに対し,スクワットは股関節,膝関節,足関節のいずれの機能も発揮されやすく,切り返し期などの一瞬に大きな力が発揮しやすい可能'性も推察された。
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