2007 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮に伴う筋細胞内外の酸素環境動態の変化と代謝動態との関連について
Project/Area Number |
18700527
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
増田 和実 Kanazawa University, 教育学部, 准教授 (50323283)
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Keywords | 骨格筋 / ミオグロビン / ヘモグロビン / NIRS / MRS |
Research Abstract |
昨年度の研究推進内容のうち、継続課題とした下肢骨格筋の灌流モデルについて、本年度の研究課題として実験を行った。 下肢環流モデルでは、腹大動脈からカテーテルを挿入し、対象脚のみに灌流液が流れるよう、必要箇所の血管を結紮した。HbがWashoutされた後、座骨神経経由にて筋収縮を誘発し、その際のNIRS(近赤外線分光法)による筋酸素動熊をモニタした。また、発揮張力や酸素摂取量(VO2)等も連続的にモニタした。また、同一個体で、非灌流時(in vivo)における筋収縮中の筋内酸素動態もモニタした。筋の酸素動態(Δ[deoxy-Hb/Mb]は指数関数モデルに当てはめることによって、線形分析を行った。In vivoでのΔ[deoxy-Hb/Mb]動態の振幅(AP)は、収縮レベルに応じて上昇すした。また、時間当たりのΔ[deoxy-Hb/Mb]の変化率(AP/τ)も収縮レベルの上昇に伴って高値傾向を示した。これらの結果は、ヒトを対象とした時我々の結果と一致していた。一方、下肢環流時における収縮中のΔ[deoxy-Hb/Mb]動態は、in vivo時と同様に検出することができた。そのAPやAP/τは収縮レベルに応じて変化することが確認できた。なお、環流時のAPの化量は、約50-60%であった。 以上の結果から、筋収縮時における筋酸素動態の約50-60%はHb以外のヘムタンパク、つまりMb (cytochromeを若干含む)の変化である可能性が示唆された。また、環流モデルの脱酸素化動態は、筋収縮レベルに応じて、Mbが脱酸素化し、細胞内の酸素分圧調整に寄与していることを示唆するものである。 これらの成果は2008年に行われる国際学会や国内学会に発表し、専門学術誌への投稿を予定している。
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Research Products
(5 results)