2006 Fiscal Year Annual Research Report
FOXO(筋萎縮誘導因子)は筋肉の老化防止に関与するか?
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18700532
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
稲嶋 修一郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80372845)
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Keywords | FOXO / 骨格筋 / 加齢 / 筋萎縮 |
Research Abstract |
近年、ユビキチンリガーゼであるMuscle Atrophy F-box(MArbx)/Atrogin-1やMuscle RING Finger 1(MuRF1)が、筋萎縮を誘導する原因因子として考えられている。この筋萎縮誘導に関わるAtrogin-1の転写発現を促進する物質の1つとしてForkhead box O(FOXO)が挙げられる。実際の生体内において筋萎縮など、加齢に伴う筋の老化現象を引き起こす要因の一つとしてFOXOの発現が筋内で変化することが考えられるが、これまでのところ明らかとなっていない。そこで本研究では、加齢により骨格筋内のFOXOがどのような影響を受けるのか明らかにすることを目的とした。実験には、生後3ヶ月齢、12ヶ月齢および24ヶ月齢のC57black/6J系雄マウスを用いた。腓腹筋の一部より7μmの横断切片を作成し、免疫組織蛍光染色を行うことにより筋細胞内におけるFOXOタンパクの局在の様相を調査した。残りの筋をホモジネイトし、得られたサンプルを用いてwestem blottingを行い、筋内におけるFOXOタンパク量の変化を検討した。筋重量および体重あたりの筋重量は、生後3ヶ月齢と比較し、12ヶ月齢および24ヶ月齢において顕著な減少が確認された。筋内におけるFOXOタンパク量は、いずれの月齢においても優位な差は認められなかった。しかしながら、12ヶ月齢において筋細胞周辺にいくつかのFOXOタンパクの局在がみられた。このFOXOタンパクの局在は筋核部位と一致していた。これらの結果より、加齢に伴い骨格筋内のFOXOタンパクは、総量では変化しないが、筋細胞内の局在が変化することにより作用していることが示唆された。
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