2006 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングによる生活習慣病予防効果を規定するミトコンドリア遺伝子多型の探索
Project/Area Number |
18700541
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
福 典之 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (40392526)
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Keywords | ミトコンドリア / DNA / 一塩基多型 / ハプログループ / 2型糖尿病 / メタボリックシンドローム / 生活習慣病 / 疾患感受性遺伝子 |
Research Abstract |
2型糖尿病の発症には、ミトコンドリアの機能が重要な役割を果たしていることが近年の研究から明らかになりつつある。したがって、ミトコンドリアDNA(mtDNA)多型およびハプログループは2型糖尿病に対する易罹患性または罹患抵抗性に関与している可能性がある。 仮説を検証するために、我々は日本人2906名、韓国人1365名の計4271名を対象として、2型糖尿病に関連するミトコンドリアハプログループを探索し、Am J Human Genetに報告した。mtDNA上に点在する149多型をLuminex法より分析し、この内、特に25多型の組み合わせで、日本人および韓国人を大きく10種類のハプログループ、すなわちハプログループF、B、A、N9a、M7a、M7b、G、D4a、D4b、およびD5に分類した。2型糖尿病群と健常者群で横断的に検討すると、ハプログループN9aは日本人および韓国人の両集団においてオッズ比が0.55であり、2型糖尿病に対して顕著な防御因子となることが判明した。日本人と韓国人のような食習慣などが異なる集団を用いても同様な結果が得られた。日本人において検討すると、ハプログループN9aは、日本人および韓国人の両群で検討したときと同様に、オッズ比が0.63であり2型糖尿病に対して防御因子とる傾向があった。また、ハプログループFはオッズ比が1.54であり、2型糖尿病に対して危険因子となることが明らかになった。性別に検討すると、女性においては、ハプログループN9aは、オッズ比が0.27であり2型糖尿病に対して顕著な防御因子となった。一方、ハプログループFおよびAは、オッズ比がそれぞれ、1.79および1.67であり2型糖尿病に対して危険因子となった。男性においては2型糖尿病に関連するハプログループは検出できなかった。メタボリックシンドローム患者群と健常者群で検討しても、2型糖尿病と同様に、ハプログループN9aは、メタボリックシンドロームに対して顕著な防御因子となった。
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Research Products
(6 results)