2006 Fiscal Year Annual Research Report
身体的自立度を保持・向上させる高齢者向けエクササイズ・プログラムの作成
Project/Area Number |
18700551
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
重松 良祐 三重大学, 教育学部, 助教授 (60323284)
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Keywords | 自立 / 高齢者 / エクササイズ / スクエアステップ / 転倒 / 楽しさ / つまずき |
Research Abstract |
(1)目的 本研究では「つまずき後の転倒回避能力を向上させるSquare stepping exercise(SSE)」を高齢者向けのエクササイズ・プログラムの一つとして確立することである。そこでSSEの転倒リスクおよび転倒リスクファクタへの効果を筋力&バランスエクササイズ(SB)の効果と比較した。 (2)方法 ◆対象者 三重県津市河芸町に在住する65〜74歳の高齢者(2,104名)の中から300名を無作為に抽出し、研究参加を呼びかけるダイレクトメイルを送付した。呼びかけに応じた39名を研究対象者とし、SSE群(20名)とSB群(19名)に無作為配置した。 ◆アウトカム (1)転倒リスクファクタ:脚パワー、バランス、敏捷性、歩行スピード、柔軟性。(2)心理的項目:転倒恐怖感、運動の楽しさ、自覚的健康度への効果。(3)転倒リスク:介入終了後12ヶ月にわたる転倒回数とつまずき回数。 ◆介入 (1)SSE:介入を週2回、1回70分(15分間のアップ、40分間のステップ、15分間のダウン)、3ヶ月間おこなった。(2)SB:ステップの代わりに自重によるスクワット、フロントランジ、カーフレイズ、ヒップアブダクション、タンデムウォーキング、片膝立ちによるバランス保持をおこなった。介入期間や頻度、時間は両群で同じにした。 (3)結果 介入前後においてSSE群で閉眼片足立ちが有意に改善した。ファンクショナルリーチはSB群においてのみ有意に改善した。その他の項目は両群とも有意に改善した。介入後12ヶ月間における転倒者率に有意差は認められなかったが、つまずき回数に対する転倒回数の割合はSSE群(14.6%)、SB群(33.3%)と有意に異なっており、SSE群がつまずき後の動作を適切におこない、転倒を回避していることが示唆された。
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