2006 Fiscal Year Annual Research Report
改正介護保険制度における「介護予防サービス」を支援するシステムの構築に関する研究
Project/Area Number |
18700557
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
石原 一成 福岡県立大学, 人間社会学部, 助手 (80347690)
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Keywords | 高齢者 / 要支援者 / 身体機能 / テストバッテリ / 介護度改善 / ヘルスプロモーション |
Research Abstract |
本研究では要支援1・2の認定者を対象に実施されている「介護予防サービス」を支援するシステムの構築を目指した試みを実施し,その効果を検討することを目的としている.今回は,要支援1・2の認定者が実施可能な身体機能評価テストバッテリを作成するとともに,評価尺度の設定を行った. まず,在宅高齢女性218名(平均年齢:66.2±4.0歳,範囲:60〜85歳)を対象に身体機能の測定を行った.測定は要支援者への適応可能性を考慮し,(1)平衡系,(2)操作系,(3)移動系の分類に沿い,以下の項目を選択した.(1)平衡系:ファンクショナルリーチ,開眼片足立ち,タンデム.(2)操作系:椅子立ち上がり回数,長座位体前屈,つぎ足歩行数.(3)移動系:Up & Go,10m歩行,最大1歩幅. 天井効果のみられたタンデム,つぎ足歩行の2項目を除外した7項目に主成分分析を行った.第一主成分の固有値が2.78(全分散の39.7%を説明)であったことから,第一主成分が総合的な身体機能を表すと考え,ファンクショナルリーチ,椅子立ち上がり回数Up & Goの3項目をテストバッテリとして選定した.3項目の総合評価は,第一主成分得点(=-0.04×ファンクショナルリーチ(秒)-0.10×椅子立ち上がり回数(回)+0.79×Up & Go(秒)-0.29)とした.また,高齢者へのフィードバックを考慮し,年齢尺度(身体機能年齢(歳)=-0.15×ファンクショナルリーチ-0.42×椅子立ち上がり回数+3.20×Up & Go+65.0)に変換した. 次に,要支援者149名(平均年齢:80.3±7.0歳,範囲:55〜93歳)を対象に同様の測定を行った.それぞれの項目について94.0〜98.0%のものが測定を行うことができ,その適応可能性が認められた. 以上より,要支援1・2の認定者の身体機能を評価するテストバッテリと評価尺度を作成した.
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