2006 Fiscal Year Annual Research Report
MRS,MRIを用いた新規骨格筋代謝マーカーの確立とその応用
Project/Area Number |
18700561
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田村 好史 順天堂大学, 医学部, 助手 (80420834)
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Keywords | 骨格筋細胞内脂質 / T1値 / T2値 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
(目的)近年、ヒトにおける^1H-MRSを用いた骨格筋細胞内膳質(IMCL ; intramyocellular lipid)の定量的評価が可能となり、細胞内膳質とインスリン抵抗性の関連が明らかにされてきた。また、MRIによりT1、T2を測定することで骨格筋線維組成を推測する方法が検討されてきた。そこで今回我々は従来のIMCLに加えて、T1、T2の測定を行い、それぞれのパラメーターの関連性や骨格筋のインスリン感受性との関連性について検討することを目的として研究を行った。 (対象及び方法)本年度の被験者は、20歳台の健常男性11名であった。それぞれの被験者に対してMRI測定装置(東芝VISART EX V4.40)を用いて、前脛骨筋(TA; tibialis anterior muscle)、ヒラメ筋(SOL; soleus muscle)におけるIMCL、T1、T2を測定した。また、高インスリン正常血糖クランプ法(目標血糖値95mg/dl、インスリン注入速度100mU/m^2/min)による骨格筋のインスリン感受性の評価を行った。 (結果)過去の報告と同様にSOLではTAに比較して約3倍のIMCLが観察された。T1値はTAでSOLに比較して、有意に高値であり、T2では、これとは逆にTAでSOLに比較して有意に低値であった。T1はIMCL、GIRとの有意な相関を認めなかった。T2値に関しても、GIRとは有意な相関関係を認めなかったが、IMCLと有意な正の相関を認めた(r=0.72、P<0.0001)。 (考察)T2は骨格筋の糖膳質代謝マーカーの一つになる可能性が示唆された。これらの関連については、被験者数を増加させることにより、今後のさらなる検討を要すると考えられた。
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