2007 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスによる動脈硬化症の発症メカニズムの解明と運動療法への応用
Project/Area Number |
18700563
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
奥津 光晴 Waseda University, 付置研究所, 講師 (80409755)
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Keywords | 生活習慣病 / ストレス |
Research Abstract |
本研究では、ストレスによる動脈硬化症の発症因子の特定とその役割について検討することを目的とした。さらに、動脈硬化症の予防に効果的とされる運動トレーニングとストレスによる動脈硬化症の発症因子の変動を評価することで、定期的運動が動脈硬化症の予防に有効であることの科学的な裏付けを目的とした。 動脈硬化症は、血液中を循環する単球が血管壁へ浸潤し、マクロファージへ分化後、コレステロールを取り込み、泡沫化することで発症する。我々は、単球の血管壁への浸潤誘導因子であるCCL2とその受容体であるCCR2に着目し、ストレスにより分泌が促進される因子との関連性を検討した。その結果、ストレスホルモンは単球のCCR2の発現を増加させ、単球の浸潤能力を増加することをin vitroの検討から明らかにした。In vitroの結果と実際に生体でみられる現象を統合的に解明するため、-過性の高強度運動ストレスを負荷し、運動前、運動直後および運動2時間後の単球のCCR2とその血清を用いたex vivoの検討を行った。その結果、単球のCCR2の発現は、運動ストレス負荷律の血清刺激にて増加し、単球の浸潤能力を増加することを明らかにした。さらに、動脈硬化症の予防に効果的である運動トレーニング介入を高齢者に介入し、CCR2の発現変化を検討した。その結果、単球のCCR2の発現はトレーング期間前後で変化しなかった。 これらめ結果は、ストレスによる動旅硬化症の発症はストレスホルモンにより制御される可能性があること、さらに、高齢者における定期的運動は単球のCCR2の発現を制御しない可能性が示唆された。
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