2008 Fiscal Year Annual Research Report
北方圏地域住民を対象とした寝たきり予防のための水中運動処方
Project/Area Number |
18700567
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Research Institution | Asai Gakuen College |
Principal Investigator |
花井 篤子 Asai Gakuen College, 人間総合学科, 准教授 (10389661)
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Keywords | 北方圏 / 水中運動 / 寝たきり予防 / 中高齢者 / DVD / 運動処方 / 地域住民 |
Research Abstract |
積雪や寒冷が長期間にわたる北方圏に暮らす地域住民は、除雪作業や冬道の歩行等、他の地域住民と比較して特有の身体能力(以下、生活基礎体力)が必要とされる一方で、冬季の運動量が減る傾向にあることから、通年の運動継続を行い、体力低下予防や健康維持増進が重要な課題となる。 水中運動は、屋内プールを利用することで年間を通じて実施可能な運動であり、水の持つ特性を利用することによって、中高齢者の生涯スポーツや健康運動としても利用価値が高いことで知られる。 そこで、本研究では、中高齢の北方圏地域住民を対象に寝たきり予防のための水中運動を確立し、その処方により、身体活動量が減少する冬季においても、生活基礎体力の維持・向上が可能かを検討することを目的とした。その手段のひとつとして、北方圏特有の天候や気象条件に左右されることなく利用が可能である屋内プールや家庭の風呂場を活用した水中運動プログラム処方DVDを作成・配布し、北方圏地域住民を対象に冬季における運動継続の効果について検証を行った。その結果、水中運動処方DVDの活用は、冬季における北方圏地域住民の身体活動量、及び体力レベルの維持・向上にも有効であることが示された。しかしながら、被験者の聞き取り調査によると、天候悪化のため外出できない日や入浴時には、風呂場でのエクササイズを実践したという意見が多く聞かれた一方で、屋内プールでの水中運動の実践に関しては、個人でプール利用する者はほとんど皆無であった。冬季も水中運動を継続した対象者は、水中運動教室などの集団運動教室に参加した者であった。今後、このような媒体を利用して、効果的に運動継続を促し、身体的・体力的効果を上げるためには、媒体の単独の処方だけでなく、運動環境の場の設定(教室、指導者、運動場所)と共に、その補助ツールとして活用することが望ましいといえる。
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Research Products
(3 results)