2006 Fiscal Year Annual Research Report
花粉症マスクの装着に伴う「息苦しさ感」の改善を目指したデザイン開発に関する研究
Project/Area Number |
18700580
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
森島 美佳 岐阜市立女子短期大学, 生活デザイン学科, 助手 (50369518)
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Keywords | マスク / 花粉症 / 装着感 / 感性情報 |
Research Abstract |
現代人にとって深刻な花粉症に要する花粉防護マスクに着目し、その機能性と快適性の改質、改善策を見出し、最適な花粉症用マスクを開発することを、本研究の長期的な目的とする。平成18年度では、【1】花粉症用マスクに対する意識調査、【2】花粉症用マスク内と周辺の隙間領域の温湿度環境について、平面型ガーゼマスク、立体型ガーゼマスク、プリーツ型不織布マスクの計4種類を用い、計測を行った。 【1】について、マスクに対する意識調査を、130名に実施した。その結果、回答者のうち41%の者が、有症者であった。そのうち24%の者が、マスクを使用しないことがわかった。マスクを使用しない理由として、「息苦しい」(24%)、「蒸れる」(18%)、「格好悪い」(18%)などが挙げられた。息苦しさ感、湿潤感さらには視覚的評価が、その要因として関与していることが推察された。 【2】について、超小型静電容量式高分子湿度センサーを用い、マスクを装着した際のマスク被覆内の温湿度環境を計測した。本実験の範囲では、試料間の比較において、温度については明確な差は見られなかったものの、湿度については不織布マスクに比してガーゼマスクの方が低い傾向を示した。 隙間形成箇所に関する知見を得るため、サーモグラフィを用い、マスクを装着した被験者の正面から、マスク表面の温度分布を15分間観測した。その結果、不織布マスクの表面温度は一様傾向を示した。一方、ガーゼマスクの表面温度は、マスク周辺において低い傾向を示すことが実験的に明らかになった。 次年度では、マスクシートの温湿度特性および通気性を計測していくことにより、隙間形成機構を詳細に検討し、感性情報との対応を検討していく予定である。
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