2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期における居住スタイルに関する研究-高齢社会に対応した居住単位の適正化-
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18700581
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
牧野 唯 Nara Women's University, 大学院・人間文化研究科, 助教 (20321325)
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Keywords | 居住スタイル / 高齢社会の居住問題 / 住宅改修 / 家族 / 居住形態 / 借家居住 / 島根県 / 奈良県 |
Research Abstract |
加速化する少子高齢化社会に備えるためには,安定した生活基盤の整備が重要であり,人口規模の縮小や世帯の分離傾向に対応した社会・居住システムを構築してゆく必要性は高い.そこで,高齢期における居住スタイルの実態を明らかにし,住生活及び住環境計画の課題について検討した. まず,介護保険の導入や地域住宅交付金運用等の動向として,全国に先駆けて高齢化する島根県を対象に,新制度運用の実態や影響等についての事例調査を行った.島根県では,平成17年策定の地域住宅計画に基づき,地域住宅交付金を得て出雲市に高齢者向け優良賃貸住宅が完成した.これは,島根県内の高優賃(6箇所)と比較し,戸数は比較的多い(認定戸数30戸)が,住戸面積は比較的小さく(19.51m^2),介護と一体化したグループホームに近いことが特徴である.このような施設居住は,高齢期の居住スタイルとして定着するか,居住単位の規模は適正であるが,その動向が注目される. さらに,同一県内においても都市部と中山間部では,高齢者の居住スタイルが異なることから,居住単位め指標となる人口密度・家族類型・65歳以上の高齢者を含む世帯の居住形態・多機能小規模施設の分布等を分析し,居住単位の地域格差を明らかにしようとした.また,高齢者のためめ住宅設備め設置率・65歳以上の高齢者が居住する住宅のバリアフリー化・介護保険を利用した住宅改修の実施状況・自然災害にともなう復旧コスト等から,地域生活の継続にかかる社会コストを把握しようとした.あわせて,全国的な個別事例を検討するためヒアリシグ調査を行った.高齢著の子世代との別居化は高齢期における住宅維持・管理問題に波及し,借家居住めみならず,持家居任にも顕在化していること等から,核家族を標準モデルとしてきた住宅・住環境計画の限界を示唆することができた.
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Research Products
(2 results)