2007 Fiscal Year Annual Research Report
「なかよし」の両義性の分析による幼児理解の方法の探究
Project/Area Number |
18700586
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
岩田 恵子 Japan Women's University, 家政学部, 助教 (80287812)
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Keywords | 教育系心理学 / 幼児理解 / ナラティヴ / 遊び / 幼稚園 |
Research Abstract |
(1)幼稚園における「なかよし」関係のフィールドワーク 同一園にて継続的に観察を行っているからこそ見えてくる「なかよし」にみえる子どもたちの関係と、その子ども達の関係を支えている関係的な網の目を、筆者自身の子どもを理解する視点を意識しつつとらえる試みを行った。今年度は、「なかよし」の形成プロセスを、特に模倣の観点から検討することを試み、年少児が共に遊んでいると見えるときの「模倣」場面の検討を行った。ある子どもの遊びの中での模倣のありかたの変化から、幼稚園という文化の中で子ども同士の間でどのように「模倣」が生じているかを考察したとき、仲間との関係、ともに遊ぶ相手としての仲間の理解の深まりを考察することができた。今後、他の子どもたちの子ども同士の「模倣」の事例も含めて、他者の意図を理解したうえで共感するような他者理解が深まるプロセスについて考察を深めていきたい。 (2)保育者との共同的な「なかよし」関係の語りの探究 「なかよし」におけるポジティヴな側面とネガティヴな側面をはじめとして、子どもたちの仲間関係のありかたをより多面的にとらえる試みを行った。ビデオ画像を幼稚園のスタッフと共同視聴する機会などを利用し、子ども達の仲間関係について様々なスタンスからの見えを重ね合わせ、子ども達の遊び場面ひとつとっても多声的な物語としてとらえていく必要性を自らの体験として確認していった。また、「おにごっこ」という葛藤が生じやすい場面について保育者が仲間関係をどのようにとらえているかをインタビューし、「なかよし」関係のとらえかたを検討する機会とした。
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