2007 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う水晶体白濁度と視環境変化の研究 -空間周波数特性と色彩識別能力-
Project/Area Number |
18700587
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
大森 正子 Kobe Women's University, 家政学部, 講師 (10397490)
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Keywords | 加齢 / 色彩識別能力 / コントラスト感度 / 水晶体白濁度 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究では、加齢にともなう視覚機能変化として、白濁度を透明から白色までを256階調(任意単位:0;白濁なし〜256;白濁)に分けて評価することにより水晶体の白濁を定量的にとらえ、色彩識別能力と空間周波数特性にあたえる影響について明らかにすることを目的としている。色彩識別能力と空間周波数特性(コントラスト感度)を測定するにあたり、物体色(紙パネル)と光源色(LCD:液晶ディスプレイ)による2種類の実験用テスタを製作した。光源色実験では、昼間・夜間照度条件(昼間:10001x、夜間:01x)の2条件とした。物体色実験は、昼間照度条件(10001x)1条件とした。 コントラスト感度測定の結果では、物体色、光源色とも高周波数領域でいずれの白濁度の層においてもコントラスト感度の低下が認められた。しかし光源色では、白濁度数150以上で中間周波数領域からのコントラスト感度の低下が認められ、夜間照度条件に比較して昼間照度条件(10001x)においてその傾向が強く認められた。色彩識別能力測定では、光源色用の100コマのテスタをコンピュータ上で並び替え実験ができるソフトを作成した。年齢・白濁度別エラースコアを比較すると、物体色では、緑青色系統と青紫色系統のエラースコアが高く、年齢では50歳以上、白濁度では白濁度数100以上を境にエラースコアは顕著に高くなった。光源色では、白濁度50以下では緑青色系と青紫系のエラースコアが高く、50以上では、加えて紫赤色系のエラーが高くなり、白濁度100以上ではその傾向は顕著であった。光源色表示における色彩、空間周波数特性へあたえる白濁の影響が示唆され、その傾向は昼間照度条件において顕著であることが明らかとなった。
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