2006 Fiscal Year Annual Research Report
味覚刺激に対する表情の時空間的変化の画像処理による解析
Project/Area Number |
18700590
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 邦人 岐阜大学, 工学部, 助手 (70283281)
|
Keywords | 味覚表情 / 味覚刺激 / 画像解析 / 食品画像処理 / 味覚反射 |
Research Abstract |
本研究では、味覚による表情の生理反射特性に注目し、まず味覚による表情の表出について三つの段階があると仮説を立てた。初めの段階は味覚刺激に対する条件反射的表情の表出である。これは、味覚刺激を受けたあとの極短時間に起こると考えられる。次の段階は一般的に我々が「表情」として定義しているものであり、味を理解して表出する表情である。これは脳で味覚を理解し、それに対する反応として顔全体に表出される。最後の段階は、記憶や思考、周りの環境など複雑な要因が複合し表出される表情である。これは、前の2段階の表情に比べると時間を置いてから表れ、さらに個人の嗜好や食した状況等によって複雑に表情が変わる。以上の、表情表出を時空間的に考察すると、最も初めに起こる条件反射的表情表出と、その後脳内での処理を経て表出される表情が誰にも共通して表れる表情と考えられる。 そこで本研究では、まず1段目の表情表出と2段目の表情表出に着目し、その表情筋の時空間的移動の仕方、移動を始めるタイミングの比較等詳細な解析を行った。表情は非常に高速で表出されることが予想されるので、高速度カメラを用い撮影を行った。 撮影では、被験者に味覚指標を与え、その指標に対する反応を観察し、それらを30人の被験者について行いデータベース化した。このデータベースを用い、表情筋の移動解析をデータ化した。 次に、実際に解析により得られたデータをもとに、表出した「自然」味覚表情と「作り」味覚表情との比較を行った。すなわち、実際に起こる表情の表出と、それをイメージして作った表情との違いの比較検討を行った。結果、自然表情は多くの場合口から表出されることを突き止めた。一方、作らせた表情では、目と口が同時、もしくは目が先に動き出すという現象を観測することができた。
|