2006 Fiscal Year Annual Research Report
ショウガ中の新たな食品軟化物質および健康増進物質の解析
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18700595
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
竹中 康之 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 准教授 (20273518)
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Keywords | 食品 / 酵素 / 生理活性 / 蛋白質 |
Research Abstract |
ショウガ成分による健康増進作用は広く知られているが、ショウガオールやジンゲロンなどの辛味成分が有する生理作用についての研究のみであり、それ以外の成分の関与については全く検討がなされていない。そこで、調理中に派生する、ショウガタンパク質由来の低分子ペプチドの生理作用を検討した。生理作用として、抗酸化作用、血圧低下作用に焦点をあてた。 五訂日本食品標準成分表によれば、ショウガ中には100gあたり0.9gのタンパク質が存在するとされている。また、これらはリン酸緩衝液で抽出されるとの報告がある。しかし、詳細に検討すると、タンパク質含量は品種により差がある上に、抽出効率も悪い。また、食品成分表記述量よりもタンパク質量は少ないと予想された。抽出ショウガタンパク質を各種プロテアーゼにより加水分解した。加水分解物の抗酸化活性、ACE阻害活性を調べたところ、弱いながらも抗酸化活性、ACE阻害活性が見られた。現在、加水分解物中の抗酸化活性を示すペプチドの単離を進めている。 ショウガ中には澱粉糊の粘度を低下させる成分が含まれ、酵素(β-アミラーゼ)によるものと、非タンパク質性の低分子物質の2成分が報告されている。まず、β-アミラーゼの全アミノ酸配列の同定を試みた。β-アミラーゼは新ショウガ中では活性をほとんど示さず、季節により活性の変動がみられる。β-アミラーゼの精製に成功し、N末端の部分アミノ酸配列を同定した。今後ショウガβ-アミラーゼ遺伝子のクローニングを行い、全アミノ酸配列を決定する。
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