2007 Fiscal Year Annual Research Report
ショウガ中の新たな食品軟化物質および健康増進物質の解析
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18700595
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
竹中 康之 Kobe Shoin Women's University, 人間科学部, 准教授 (20273518)
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Keywords | 食品 / ショウガ |
Research Abstract |
ショウガ成分による健康増進作用は広く知られているが、ショウガオールやジンゲロンなどの辛味成分が有する生理作用についての研究のみであり、それ以外の成分の関与については全く検討がなされていない。そこで、ショウガタンパク質を各種プロテアーゼにより加水分解し、生理活性ペプチドの単離を試みた。水溶液中におけるリノール酸の自動酸化に対する抗酸化性を調べたところ、ショウガタンパク質分解物には弱いながらも活性が見られた。分解物を、ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーに供し、2つの活性ペプチドを単離し、構造決定した。例えば大豆タンパク質由来ペプチドのように、それ自体の抗酸化力は弱い場合であっても、非ペプチド性抗酸化物質が共存すると、大きな抗酸化力を持つ場合もあることから、今後、得られた活性ペプチドを化学合成し、その抗酸化活性を評価していきたい。また、ショウガタンパク質分解物には、弱いながらもアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する活性も有する。現在、各種クロマトグラフィーを用いて、活性ペプチドの単離を試みている。 ショウガ中には澱粉糊の粘度を低下させる成分が含まれ、酵素(β-アミラーゼ)以外に、非タンパク質性の低分子物質の関与が想定されている。これは、ショウガ中のある低分子物質がヒドロキシラジカルを生成し、澱粉を分解するという仮説をたて検討を行ったが、澱粉の分解は確認されなかった。したがって、ショウガ中の低分子物質による澱粉糊の粘度を低下は、澱粉の分解によるものではなく、粘度形成の阻害によると推定された。
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