2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヨコバイ食害を利用した台湾高級烏龍茶の香気生成機構の解明
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18700600
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
木下 朋美 鹿児島県立短期大学, 生活科学科, 助手 (20399257)
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Keywords | Camellia sinensis / 烏龍茶 / 香気 / ヨコバイ / 2,6-dimethylocta-3,7-diene-2,6-diol / hotrienol / 国際情報交換 / 台湾 |
Research Abstract |
本研究では、台湾高級鳥龍茶(東方美人茶)の製茶工程中のストレスとヨコバイ吸汁という2つのポイントについて、それぞれ実験室レベルで個別に評価できる実験系を構築し、チャがどのような応答を示し香気を生成するのか明らかにすることを目的する。 1.各種ストレスによる香気生成機構の解明 UVストレスや植物ホルモン(アブシジン酸)処理により,アルコール系香気成分が増加していることが明らかとなった。 東方美人茶の萎凋中に特異的に増加していることが明らかにされたストレス誘導遺伝子について,アブシジン酸処理後の遺伝子発現量を比較したが明確な違いはみられなかった。 2.ヨコバイ吸汁による香気生成機構の解明 ヨコバイの吸汁被害が多いチャ葉と少ないチャ葉,被害のないチャ葉において2,6-dimethylocta-3,7-diene-2,6-diel含量を比較した結果,被害の増加に伴いdiol量も増加していることが明らかとなった。今後は被害日数や加害頭数を変えて検討する。 3.台湾烏龍茶製造中の香気生成機構の解明 3月末に台湾にて実際の製茶現場でサンプリングを行った。持ち帰ったサンプルは現在分析中である。実際の製茶現場を視察し,これまで考えられていた香気生成機構と異なるメカニズムがあることを想定した。一般に烏龍茶の香気は萎凋の段階で作られると言われているが,釜妙りし酵素を失活した後の揉捻の段階で多くの香気が生成していた。この点について19年度に検討することとした。
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Research Products
(2 results)