2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18700602
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂野 麻里子 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (90400530)
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Keywords | ビタミンK / ビタミンKエポキシド還元酵素 / γ-カルボキシラーゼ / ワーファリン / 高血圧 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
ワーファリンは我が国で承認されている唯一の経口抗凝固薬であるが、治療域を得るための投与量に大きな個人差がみられる。また、本薬剤はビタミンK再利用系を阻害し、ビタミンK依存性凝固因子量を低下させることで、抗凝固作用を発揮するため、その薬効は食品中のビタミンKの影響を強く受ける。本研究では、ワーファリン療法中に最適な食生活指導を行う上での基盤を形成するため、食品中のビタミンK含量の測定およびワーファリンの薬効や副作用に影響する遺伝性素因の解析を行っている。 【食品中のビタミンK同族体含量の測定】ビタミンK含有量の高い食材としては、緑色野菜類、緑茶類、藻類、納豆などがよく知られているが、調理、貯蔵後、ヒトが実際に摂取する食事中のビタミンKの量に関する報告は少ない。そこで本年度は、逆相HPLC-蛍光検出によるビタミンK定量系を構築し、10種類の緑色野菜を対象として、調理前後のビタミンK同族体含量の変化を測定した。その結果、ビタミンK含量の変化は緑色野菜でも種類によって異なること、調理油中のビタミンK含量の違いは食材のビタミンK含量変化に大きく影響しないことが明らかとなった。 【循環器疾患関連遺伝子多型の探索】ワーファリン服用者を中心に脳血管障害、心疾患、高血圧等循環器疾患者の臨床データ、遺伝子多型を解析し、疾患の病態形成や病態修飾、ワーファリン療法等の治療応答性に関わる新規遺伝子多型の探索を行った。本年度は、日本人高血圧患者のEndothelin-1遺伝子に新規のミスセンス変異(G36R)を同定した。また、Endothelin converting enzyme-1遺伝子一塩基多型の大規模遺伝子タイピングを行い、第5イントロン内の一塩基多型(rs212528)が高血圧症発症と相関を示す事を明らかにした。
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