2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病由来の感染症や合併症を予防する食品因子の探索と作用機序の解明
Project/Area Number |
18700606
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 友子 (大矢 友子) Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 講師 (80329648)
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Keywords | 糖尿病 / 活性酸素 / 合併症 / 消化器疾患 / グリケーション / プロテオミクス / 酸化ストレス / 好中球 |
Research Abstract |
ヒト急性骨髄性白血病細胞株由来の分化誘導後の好中球様細胞において高血糖状態の培養によって活性酸素の過剰産生や貪食能の異常活性化が認められた。こうしたことから,高血糖によるストレス状態下での活性酸素産生能や殺菌作用の異常亢進は,傷害性因子が標的分子だけでなく周辺の組織へ傷害を生じ,重要臓器の機能障害や炎症性疾患を惹起する可能性が考えられた。本年度では,重要臓器の対象として消化器に着目し,難治性消化管疾患の原因となり得る活性酸素や高血糖の影響を検討した。糖化反応生成物をマーカーとした消化器疾患のプロチオミクス解析を行った。指標として解糖系や糖化反応で生じるメチルグリオキザール(MG)に着目し,翻訳後修飾タンパク質の網羅的な解析を行ったところ,ラット正常胃粘膜上皮由来がん化RGK-1細胞において,分子量25kDaの熱ショックタンパク質(Hsp25)と予想されるタンパク質のMGによる特異的な修飾が観察された。ラット正常胃粘膜上皮由来RGM-1細胞ではHsp25タンパク質発現量に差はないにもかかわらずこの現象は認めらなかったことから,がんや炎症の新たなマーカーとなる可能性が高い。また,糖尿病を発症したマウスでは正常ラットに比べて胃潰瘍の治癒遅延が認められた。糖尿病合併症の治療薬として期待されており糖化反応阻害剤であるOPB-9195の投与によって,胃潰瘍治癒の遅延が改善された。このことから,治癒の遅延に糖化反応が深く関与していることが予想された。現在,胃粘膜のタンパク質を使用してMGや酸化ストレスマーカーであるアクロレインやヘキサノイルリジンを指標としたプロテオミクス解析を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Identification of heat shock protein 27(Hsp27) as methylglyoxal target in colon mucosa of ulcerative colitis2007
Author(s)
Oya-Ito, T., Naito, Y., Takagi, T., Handa, O., Matsui, H., Yoshikawa, T.
Organizer
17th Japan Maillard Meeting
Place of Presentation
Kobe,JAPAN
Year and Date
2007-12-01
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