2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生抑制作用を有する抗酸化成分によるメタボリックシンドローム発症予防の検討
Project/Area Number |
18700608
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松原 主典 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (90254565)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 肥満 / 血管新生 / 抗酸化作用 / 血管内皮細胞 / カテキン / ビタミン / 食品 |
Research Abstract |
現代の食生活および慢性的な運動不足により肥満が幼児から成ムに至るまで増加し、生活習慣病の要因として大きな社会問題となっている。また、糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病を併発するメタボリックシンドロームも誘発することから、肥満予防への取り組みは急務である。本研究では、肥満予防とメタボリックシンドローム発症予防に有用な食品成分の探索、作用機序解明、新規機能の可能性について検討を行った。 茶カテキンは抗酸化作用と血管新生抑制作用を有することが知られている。茶カテキンの内、最も強い血管新生抑制作用を有するのはエピガロカテキンガレートである。茶カテキン類の機能向上を目的として、エピカテキンに脂肪酸を結合させた誘導体を合成し験討した。その結果、エピカテキン-脂肪酸誘導体はエピカテキン単体よりも強い血管新生抑制作用を示した。また、結合する脂肪酸のアシル鎖が長鎖になる程、血管新生抑制作用は高まった。 近年、ビタミンB6に抗酸化作用があることが判明している。しかも、ビタミンB6 には血管新生抑制作用や糖尿病合併症(網膜症および腎症)予防効果も示され、ビタミン類め新規機能が注目されている。そこで、ビタミンB6による糖尿病合併症予防効果の作用機序解明を目的に、糖尿病合併症発症に関わる主要な遺伝子群の発現に対するビタミンB6の影響について検討した。その結果、生体防御機構に関連する遣伝子の発現を高めることが示唆された。この結果は、ビダミンB6による糖尿病合併症予防機序に関しそ新しい知見を与えるものである。 これらの結果を踏まえ、最終年度となる来年度はより高機能な食品成分の探索、作用機序解明、ビタミンの新規機能解明などを進め、メタボリックシンドローム廃症予防に役立つ食品成分研究を多面的に進めたい。
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