2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700616
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Research Institution | Tsu City College |
Principal Investigator |
阿部 稚里 Tsu City College, 生活科学科, 講師 (10351214)
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Keywords | ビタミンE / 脳 / ラット |
Research Abstract |
本研究では、脳におけるビタミンE代謝の機構を、ラット個体レベルで解明することを目的としている。近年、ビタミンE同族体の細胞内への取り込みは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)によって触媒されるごとが示唆されている。そこで、脳のビタミンE同族体の取り込みに、LPLが関与している可能性をラット個体レベルで調べるとともに、その取り込みがビタミンE同族体の立体構造の違いによって異なる可能性を検討した。 ビタミンE無添加飼料を4週間摂取させたビタミンE欠乏ラットに、LPL阻害剤として知られているチロキサポールを尾静脈から投与した。投与10分後、α-トコフェロール10mg、γ-トコフェロール10mgまたは、α-トコトリエノールl0mgおよびγ-トコトリエノール14mgを経口投与した。脳中のビタミンE同族体濃度は、α-トコフェロールが最も高く25nmol/g以上であり、γ-トコフェロール濃|度およびα-トコトリエノール濃度はlnmol/g以下であった。γ-トコトリエノールは検出されなかった。LPL阻害剤であるチロキサポール投与の影響ば、どのビタミンE同族体を投与した場合にも見られなかった。 近年、細胞レベルにおいて、ビタミンE同族体の細胞への取り込みに、LPLが関与していることが示唆されている。しかし、本研究の結果により、個体レベルにおいては、ビタミンE同族体の脳への取り込みにLPLが大きく影響する可能性は低いことが示唆された。
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