2006 Fiscal Year Annual Research Report
発がん物質ハルマン、ノルハルマンのカテコールアミン神経系への影響
Project/Area Number |
18700619
|
Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
坂巻 路可 西南女学院大学, 保健福祉学部, 講師 (80389486)
|
Keywords | 副腎髄質細胞 / カテコールアミン / アセチルコリン / ノルハルマン / ハルマン / β-カルボリン化合物 |
Research Abstract |
ハルマンとノルハルマンはヘテロサイクリックアミンの一つでタバコ煙中や調理した食品中、酒等のアルコール飲料にも含まれ発がん性を示すことが知られている。また、ハルマン、ノルハルマンがパーキンソン症候群様の振戦や幻覚症状を引き起こすことや、それらを含むパッションフルーツのサプリメントによる鎮静作用も報告される等、神経系への影響も示唆されている。 本研究ではβ-carboline化合物のカテコールアミン神経系への作用についてウシ副腎の初代培養細胞を用いて検討した。 (1)β-carboline化合物(Norharman, Harman, Harmine, Harmaline, Harmol)はアセチルコリン受容体刺激によるカテコールアミン分泌を抑制した。その抑制作用はNorharman≒Harman>Harmine≧Hrmaline>Harmolの順で効果を示した。 (2)Norharmanはニコチン性アセチルコリン受容体刺激や電位依存性Naチャネルの活性化によって引き起こされるカテコールアミン分泌、Ca influxとNa influxをいずれも濃度依存的(10-100μM)に抑制した。 (3)Norharmanは電位依存性Caチャネルの活性化によって引き起こされるカテコールアミン分泌とCa influxを100μMでのみ抑制した。 (4)ニコチン性アセチルコリン受容体刺激による分泌反応のNorharmanによる抑制はアセチルコリンの濃度を増加させても回復しなかった。 (5)ヒスタミン受容体刺激によるカテコールアミン分泌をNorharmanは細胞外Ca^<2+>存在下では抑制した。 以上のことから、ノルハルマンはニコチン性アセチルコリン受容体や電位依存性Naチャネルを介するNa流入を阻害することにより、カテコールアミン分泌を抑制することが示された。
|
Research Products
(1 results)