2007 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットコンテストが与える学習効果の測定手法の確立
Project/Area Number |
18700635
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
熊丸 憲男 Kurume National College of Technology, 制御情報工学科, 助手 (80270370)
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Keywords | 工業教育 / ロボットコンテスト / 学習効果 |
Research Abstract |
本研究は、これまで明らかにされていなかったロボットコンテスト(以下、ロボコン)における興味関心以外の学習効果を明らかにすることを目的としている。平成19年度は、平成18年度に引き続き、制御情報工学科3年生に対してロボコンの学習効果を測定する実験を行なった。平成18年度の実験で、学習者の観察を行なう際の情報を抽出する数の変化を測定し、優位な結果を得ていた。しかし、ロボコンで学習者が行なった作業内容や作業実績を記録しておらず、成績の上昇がロボコンの作業によるものか、コンテストによるものかが不明であった。そこで、平成19年度は平成18年度の観察を行なう際の情報を抽出する数の変化を測定する実験に加えて、被験者に調整作業の記録を行なってもらった。実験終了後に、成績の変化と作業の関係を比較検討した。 物理現象を捉える能力の変化を調査する実験においては、前年度同様に、被験者の観察を行なう際の情報を抽出する数に優位な成績の上昇が見られた(事前テストの平均=6.21,事後テストの平均=9.59,両側検定:t(38)=3.89e-07,p<0.01)。調整作業の記録を集計したところ、ほとんどの被験者はセンサとプログラムの調整に重点を置き、それ以外の調整を行なっていないことがわかった。そこで、本年度は作業の内容は評価せずに、調整の回数のみを評価した。被験者の作業量を調査した結果、成績が上昇した被験者ほど作業量が多い傾向にあり、両者の間にやや相関があることがわかった(相関係数0.239)。この結果から、作業を行なうと成績が向上することがわかった。 平成20年度以降は、平成19年度の調査では明らかになっていない、観察した情報の内容の向上や、コンテストと学習効果の関係などを調査したい。
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