2007 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校での環境教育と林業教育を統合した新たな森林環境教育の提言
Project/Area Number |
18700636
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
井上 真理子 Forestry and Forest Products Research Institute, 多摩森林科学園, 主任研究員 (30414478)
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Keywords | 科学教育 / 林業教育 / 森林教育 / 高等学校 / 専門教育 / 森林・林業教育 / 環境教育 / 森林環境教育 |
Research Abstract |
森林環境教育が進められる一方、高等学校の森林・林業の専門教育が減少している中、新たな森林環境教育のあり方を提言することを目的に、高等学校での森林に関する教育の実態調査を実施した。本年度は、森林に関する教育を実施している学校としてグリーンライフ科、および専門学科を改組した総合学科を対象に聞き取り調査を実施して現状分析を行い、さらに昨年の森林・林業に関連学科の調査結果をもとに森林環境教育に関わる要因の分析を行った。 その結果、まずグリーンライフ科は全国で4校あり、そのうち森林・林業関連学科を母体とする2校では、教育目標に林業教育と野外教育の要素を取り入れて生徒が自ら発見し取り組むこと、仲間との協力や運営などのコミュニケーション能力の育成、自然や地域に学ぶことを挙げていた。グリーンライフ科の教育の方向性は、自然を教材に、地域に貢献し、社会の変化に対応できる人材の育成を目指しており、文部科学省の「生きる力」に共通する面が見られた。次に総合学科は、調査をした4校共、森林・林業関係科目を学ぶ生徒が少なく、改組当時よりも専門科目数や実習時間、専門教員数が減少し、施設、設備の維持や専門性の維持が課題となっていた。総合学科で森林・林業の教育を展開するには、専門性の確保、施設や設備の維持、生徒の興味関心を引き出すことが課題として挙げられた。最後に森林環境教育に関わる要因を森林・林業関連学科を対象に分析したところ、学校の立地環境(地域の人口)と卒業生の進路先が挙げられた。森林・林業関連学科の教育目標は多様化しており、要因の違いにより5種類(1.関連産業への技術者養成、2.公務員養成、3.地域を担う人材養成、4.進学、5.内容の特色化)に分類できた。本年度の研究の結果、高校では多様な森林環境教育の展開の可能性があるが、専門性を確保が課題となることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)