2007 Fiscal Year Annual Research Report
小中学生の「科学の目」育成のための博物館による草の根地学教育の実証的研究
Project/Area Number |
18700639
|
Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
石浜 佐栄子 Kanagawa Prefectural Museum of Natural History, 企画情報部, 学芸員 (60416047)
|
Keywords | 地学教育 / 博物館 / 小中学生 / 実体験 / 博学連携 |
Research Abstract |
実物資料に実際に触れることができ,学芸員という専門の研究者を抱えている博物館は,子どもたちの「学ぶ力」「考える力」「生きる力」を育むのに理想的な場であるといえる。しかし実際の博物館を見渡してみると,博物館を最も有効に活用して学ぶことができるはずの小学校高学年〜中学生の利用率は低いと言わざるを得ない。地域の小学校高学年〜中学生が休日に積極的に参加できるような草の根科学教育を実施し,科学教育の裾野を広げることぶ重要である。本研究は,博物館の利点を生かした草の根地学教育のケーススタディを実践するとともに,研究を進める中で得られた手法や成果を学校等に向けて広く発信することにより,博物館による科学教育の更なる可能性を実証することを目的としている。 科学的な物の見方や考え方を身につけさせ,物理,化学,生物分野も包括した総合的な「科学の目」を養うことを目標として,二年度目となる平成19年度は以下のようなケーススタディを実施した。体験を通して「科学の目」を養うため,ペットボトルやカラーサンドを使った堆積実験や,パンニング皿等を使った比重差による鉱物分離実験を,講座やイベント等の場を利用して,子どもたち一人一人に体験させた。地層の剥ぎ取りを実施して地層の実物資料の収集及び博物館での展示を行うとともに,講座において実際に小中学生に室内でじっくり地層を観察させ,地層とはどういうものなのかを考えさせた。また,昨年度製作した大型の堆積実験用水路(長さ3.6メートル,幅10センチメートル)を利用して,砂粒や貝殻等が「動く」「たまる」といった現象を目の前で再現し,その物理現象を体験しながらじっくり理解させるプログラムを,小中学生や教員を対象に実施した。
|