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2006 Fiscal Year Annual Research Report

土器付着炭化物を用いた古食性の研究

Research Project

Project/Area Number 18700679
Research InstitutionNational Museum of Japanese History

Principal Investigator

宮田 佳樹  国立歴史民俗博物館, 研究部, 科研費支援研究員 (70413896)

Keywords土器付着炭化物 / 古食性 / 安定同位体 / AMS-^<14>C年代測定 / ステロール分析 / 海洋リザーバー効果
Research Abstract

平成18年度は、土器付着炭化物の起源を探るために、AMS-^<14>C年代測定、安定同位体分析(炭素、窒素同位体)、ステロール分析法を有機的に結びつけ、古食性の解明を行った。
1)西日本最古のキビの発見
滋賀県竜ヶ崎A遺跡出土炭化物粒(キビ粒)のAMS-^<14>C年代測定、安定同位体分析(炭素、窒素同位体)を行った。顕微鏡分析によって"キビ粒"が付着しているとされる土器付着炭化粒の安定同位体を測定し、その付着粒がC_3植物(イネなどの大多数の植物)ではなく、雑穀などを含むC_4植物(キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシなど)であることを確認した。また、その年代を測定したところ、2550±25BPという炭素年代が得られ、西日本最古のキビの出土例であることがわかった。このことは、縄文時代晩期から弥生時代初期にかけて、琵琶湖の周辺でキビを(日常食かはともかく)調理していた可能性を示すものであり、当時の食生活を考える上で重要な発見である。
2)土器に残る海獣の痕跡と年代学的考察
北海道礼文島浜中2遺跡出土土器のステロール分析を行った。その結果、植物性のステロールに比べて、動物性ステロールが卓越することがわかった。このことは、夏期に海獣を捕獲し、毛皮と油を採取するキャンプサイトのようなものと考えられている本遺跡の考古学的知見に合致する。さらに、海獣の油脂が付着していると考えられている土器付着炭化物と炉の炭化材のAMS-^<14>C年代測定を行った。その結果、付着炭化物の年代は、3000BPという炭化材の年代に比べて、700〜800BP古い海洋リザーバー年代を示した。この値は、これまで報告されている米田らの北海道におけるリザーバー効果の値とよく一致した。また、その付着炭化物の炭素、窒素同位体を測定したところ、海獣など海産物を起源とすることも裏付けられた。総じて、土器のステロール分析、付着炭化物の年代測定、安定同位体分析を組みあわせることにより、土器に付着する海獣などの海産物の痕跡を整合的に説明することが可能になった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2007

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 西日本最古のキビ-竜ケ崎A遺跡の土器付着炭化物2007

    • Author(s)
      宮田佳樹, 小島孝修, 松谷暁子, 遠部慎, 西本豊弘
    • Journal Title

      国立歴史民俗博物館研究報告 137集

      Pages: 191-199

  • [Journal Article] 炭素14年代測定に関するサンプリングの実践と課題2007

    • Author(s)
      遠部慎, 宮田佳樹, 小林謙一, 松崎浩之, 田嶋正憲
    • Journal Title

      国立歴史民俗博物館研究報告 137集

      Pages: 211-236

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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