2006 Fiscal Year Annual Research Report
森林の群落構造・生理的特性の流域スケールでの時空間分布解析
Project/Area Number |
18710006
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村岡 裕由 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 助教授 (20397318)
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Keywords | 光合成特性 / 分光反射・呼吸特性 / 衛星リモートセンシング / 多層放射伝達モデル / 群落光合成モデル |
Research Abstract |
植物生理生態学的アプローチは,樹木の成長量のように時間的に統合された情報の解釈やシミュレーションモデルによる時空間的スケーリングに要するパラメータを提供することによって,生態系構成要素と微気象学的要素との関係についてメカニスティックな理解を導く。本研究では,森林生態系の炭素吸収過程の衛星リモートセンシング観測精度向上を目的として,(1)林冠木の個葉光合成・呼吸特性,(2)分光反射・吸収特性,(3)森林葉面積指数,(4)レーザースキャナによる林冠3次元構造の観測を行った。 (1)と(2)の観測結果をあわせて解析した結果,個葉光合成特性やクロロフィル含量は,分光反射・吸収特性と高い相関を持つことが示された。これは,リモートセンシングにより植物群落の光合成パラメータを推定できる可能性を示唆している。また森林葉面積指数を,全天写真撮影,光合成有効放射量観測,リター(落葉)量計測などの複数の手法で検討し,季節変化パターンを明らかにするとともに年間の最大値が衛星リモートセンシングデータによって導かれる可能性を見いだした。レーザースキャナによって20mx20m程度の範囲の森林の地上部3次元構造を計測し,葉群密度の季節変化と空間分布を見いだすことができた。 以上の基礎的な観測と解析により,衛星リモートセンシングによる森林生態系観測の精度向上のための方向性が明らかとなった。19年度には引き続き現場での生態系パラメータ観測を行うとともに,シミュレーションモデルによる統合的解析を進める。
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