2006 Fiscal Year Annual Research Report
大気微小粒子の環境動態解析のための有機・無機化合物の多成分高感度迅速分析法の開発
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18710014
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥田 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30348809)
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Keywords | 環境質定量化・予測 / 環境分析 / 大気汚染防止・浄化 / 地球化学 / 有害化学物質 / 大気微小粒子 / 多環芳香族炭化水素類 / エアロゾル |
Research Abstract |
本研究では、大気微小粒子中の有機化合物および微量金属の多成分高感度同時迅速分析法の開発を行うことを目的とする。本年度は、自動連続試料導入/レーザーアブレーション/ICP-MS法の開発に関する基礎研究を行った。 先行研究として当研究室ではこれまでに、47mmφのフィルター上に、3mmφのサンプルが5mm間隔で32箇所捕集できる大気粉塵自動連続捕集装置を試作した。しかしながら、本試作機は粉塵の粒径により分級捕集する機能を有していない。そこで本研究では、この大気粉塵自動連続捕集装置試作機をベースに、試料採取部にマルチノズルカスケードインパクターを装着することによって大気粉塵の分級捕集を行うことを試みた。流量1L/min、ジェットノズル数6、ジェットノズル口径0.080cmを設定し、JIS-K0302の関係式に基づきPM2.5(粒径2.5μm以下の微小粒子)カットのインパクターを設計・製作した。粒子捕集部分の通気断面積は3mmφとした。製作されたこの小型インパクターは、従来のマルチノズルカスケードインパクターと比較して流量は20分の1、通気断面積は196分の1であり、極めてコンパクトであるため大気粉塵自動連続捕集装置試作機の試料採取部に取り付け可能である。 また、32箇所のスポット状に捕集された大気粉塵試料の1スポットに対して高いエネルギーを持つレーザー光の照射を行うと、試料の一部が飛散して他のスポットにある試料に混入してしまうため、これを防ぎながら溶発・気化された試料をICP-MSへと導入するためのアブレーションセルの開発・設計・試作を行った。セルの試作後、実際の大気粉塵試料を用いて、従来法および先行研究により製作されたアブレーションセルを装着した新装置による分析結果の比較を行った結果、対象とするほとんどの金属において従来法と同等の結果を得ることが出来た。
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[Journal Article] Polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) in the aerosol in Beijing, China, measured by aminopropylsilane chemically-bonded stationary-phase column chromatography and HPLC/fluorescence detection2006
Author(s)
Okuda, T., Naoi, D., Tenmoku, M., Tanaka, S., He, K., Ma, Y., Lei, Y., Jia, Y., Zhang, D.-H.
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Journal Title
Chemosphere 65(3)
Pages: 427-435