2006 Fiscal Year Annual Research Report
気候モデルによる温暖化予測の不確実性に関する研究:火山噴火気候応答実験による制約
Project/Area Number |
18710018
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
横畠 徳太 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, NIESボスドクフェロー (20391170)
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Keywords | 地球温暖化 / 気候システム / 気候変動 / 気候モデル / 将来気候予測 |
Research Abstract |
本研究の目標は、異なる気候感度を持つ気候モデルの複数のモデルバージョンを用いて大規模火山噴火に対する気候応答実験を行い、観測左比較することにより、気候感度の不確実性に制約を与えることである。今年度は火山噴火気候応答実験を行うための予備実験を行った。火山噴火応答実験は大気-海洋混合層モデルを用いて実行する予定だが、研究計画段階から予想していたとおり、このモデルによる火山噴火気候応答の再現性には問題があった。これは大気-海洋混合層モデルでは海洋の物理過程が簡略化されているため、気候変化時の海洋熱吸収過程が非現実的になってしまうためである。海洋混合層の厚さとともに海洋熱吸収に相当する熱フラックスを変化させることにより、大気-海洋混合層モデルにおいて現実的な気候応答を再現するための調整を行った。 火山噴火機構応答実験のための予備実験を行う一方で、実験結果が得られた後に行う予定の解析手法の検討も行った。東京大学気候システムセンター/国立環境研究所/地球フロンティア研究センターによって開発された気候モデルには解像度の異なる2つのバージョンがあるが、これらは気候感度が大きく異なる。この原因について調べ、モデルにおける海洋および海氷の振る舞いがこの2つのバージョンの気候感度の違いに影響を与えることを明らかにした(成果をGeophysical Research Letters誌に発表)。また、本研究では研究代表者らが開発した簡易気候フィードバック手法を用いて気候フィードバックの妥当性について検討を行う予定であるが、この解析手法の改良も行った。こちらの成果は2007年4月にパリにおいて開催されるCloud Feedback Model Intercomparison Project会議において発表し、論文にまとめる予定である。
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